Hawk Research Laboratories, LLC
2018年9月26日投稿
今日は私たちが19年間取引を続けているホーク社をご紹介します。
https://www.hawklabs.com/
・ 最近リニューアルしたホーク社のサイトです。
・ イリノイ州シカゴ・オヘヤ国際空港近くのホーク社社屋です。
https://www.hawklabs.com/international-distributors
- 海外代理店を案内するページです。日本総代理店としてのわが社のホームページ、連絡先なども掲載されています。
わが社が取引きを始めた頃のホーク社は同業他社と米国内でのシェア1位をめぐって熾烈な戦いを繰り広げていました。
19年を経た今は競争相手を大きく引き離し、この業界で圧倒的No.1の地位を獲得しています。
時間はかかるけれど地味にコツコツやり続ける企業が結果を出すのは、長い付き合いだけに、そして自分の目指すところでもあるのでうれしいですね。
(どこからともなく、「君も、もっとがんばりなさいよ!」との声が聞こえた。)
わが社はホーク社にとって初めての海外代理店です。
当時海外展開はホーク社にとって未開の領域、初めての経験なので、わが社の申し出に対し最初は彼らもかなり躊躇していました。
「私たちはこの挑戦に失敗すれば会社の将来、契約金、その他全てを失うことになる。しかし貴社には失うものは何もないはずだ!」とガンガン攻めたてました。(いやなに、妻の英語力を借りながらですが)
19年後の今、ホーク社は海外展開に積極的です。
まだ少ないですが、現時点でオースラトリア/ニュージーランド、シンガポール、UAEに日本のわが社を加えた計4社が海外代理店として活動しています。
ヨーロッパ、中でもユーロ圏を念頭に現在オランダに物流センターを構築中です。
ただこれまで海外展開のすべてが順風満帆に進んだ訳ではありません。
10数年前3回目のホーク社訪問の時ちょうど研修に来ていたインドの代理店は、数年前活動を中止しました。
イギリスの代理店も活発に動いていたのですが、姿を消しました。
このブログでも何度か言及しているので詳細は述べませんが、お風呂、特に浴槽の使用条件は日本が世界の中でもっとも過酷です。
この業務を展開することが世界で一番困難であるとも言えます。
それでは何故シャワー使用が中心で、湯温も低く、湯を張る時間も短く、日本と較べて比較にならぬほど使用条件のおだやかなインドやイギリスの代理店は途中で断念することになったのか?
さまざまな原因が考えられますが、両社に共通している弱点は、組織内に施工部門がないため現場ノウハウを持っていなかったことです。
純然たるメーカーであり40年近い社歴のホーク社でさえ、いま現在も施工に特化した別会社を稼動させています。
この業務は塗料の販売だけに特化してやって行けるほど甘くありません。
現場施工を通しての豊富な技術的フィードバックがないと、たとえ優れた経営ノウハウや営業力を持っていても継続的に事業を成長させることは困難です。
分りやすくて切実な例ですが、難易度の高い施工で問題を抱えたユーザー(施工者)から質問の電話を受けた時、充分な技術的ノウハウを持っていないと的確な回答ができない。
その結果施工者はその現場で失敗する可能性が高くなる。
失敗が続くとユーザーは、事業意欲を失ってしまう。
そして販売側は貴重なユーザーと長期に渡る塗料販売上を失う。
塗料を製造する側、販売する側にとって現場からのフィードバックがこの上なく重要であることの分りやすい例をもう一つ。
当たり前のことですが、私たちは良質な製品(塗料および施工ノウハウ)を提供し続けなければユーザーからの支持を得られません。
そのためには継続的製品改良を避けて通れません。
製品改良は実験室、研究室、理論だけではできません。
製品(塗料および施工ノウハウ)は、多様な条件下で使われるのですから。
温度、湿度、素材の違い、施工対象(浴室、浴槽etc.)の品質の良悪、水質、損傷の度合い、施工後の使用環境、施工者の技術レベル、施工者の性格(例 - 手抜きする人、しない人 etc.)、施工者の体調や精神状態(例 - 二日酔いだったか? ならどの位飲んだか? その人のアルコール耐性はどのくらいか?、出勤前に夫婦喧嘩しなかったか?、ナニ? 重度の二日酔いの上に泣く子も黙る夫婦喧嘩!? etc.)・・・・・。
すべての条件を組み合わせると何千通りにもなるでしょう。
このような条件を実験室で再現することは物理的に不可能です。
そして何より新製品開発のためにわざわざ夫婦喧嘩するなんて面倒くさすぎます。(笑)
しかし製品の改良や開発において、二日酔いや夫婦喧嘩は別にして、多様な条件下での使用結果が反映されなければ、それはろくでもない新製品の開発、既存製品の改悪にしかなりません。
これを解決するのが、現場施工から得られる大量の情報です。
既存製品の改良と良質な新製品の開発のためだけにホーク社は40年の長きに渡り別会社での施工を続けています。
わが社はメーカーではありませんが、確かな施工技術と優れた塗料の提供を生業とするものとして、やはり施工を続けています。
例えば、世界で追い焚き機能付きの浴槽が一般家庭のほとんどに普及している国は、世界で日本以外にはありません。
日本では浴槽の追い焚き機能により高温の湯が長時間張られる。
その上、災害時用の備蓄や洗濯用に翌日まで溜め湯するご家庭も多い。
故に日本では浴槽の塗装に世界で最も強力なストレスが加えられる。
これは世界中で日本だけの特殊条件です。
だから私たちは24年間に渡り<日本での>施工を続け、その経験に基づきホーク社へ製品の改良、開発に関し提言を続けてきました。
その結果としてスパコートの開発やウルトラグリップ4000の改良と製造の継続などがあります。
この業界に限ればアメリカでNO.1であれば、世界でNO.1となります。
そのホーク社にとってさえ、欧米や他の諸国ではなく日本で通用する塗料を製造することは容易ではありません。
そしてホーク社は私たちの期待に応えてくれました。
- 地味で朴訥で堅実な経営姿勢
- 技術、研究開発重視の姿勢
- 1.2.でありながら海外展開など夢を追う姿勢
- 日本という世界一厳しい環境での19年間の使用実績
19年の時を経て、わが社のホーク社とその製品への信頼はますます厚いものになっています。
書くべきか書かざるべきか迷いながらの独り言です。
(きっと書かない方がいい。)
「オランダにホーク社の物流センターが出来たら、ヨーロッパでの活動が何かとやりやすくなる。」
「そうなったらわが社も妻の母国フランスとその周辺国でリグレーズの仕事をしたい。」
「フランスには次代を託せる長女の家族や妻側の若い家族もいる。」
独りごちしながら「若かった19年前ならいざ知らず。何をいまさらバカなことを。」とわれながらひとりひとりごちへひとりごちました。
もし妻がこの投稿のフランス云々のくだりを読んで、少しでもご機嫌ななめになるようでしたら、速攻でそこだけ消去します。