2018年10月1日投稿
正規代理店として輸入を始めて2年9ヶ月になるカナダのフジスプレー社を紹介します。
https://www.fujispray.com/
・ フジスプレー社ホームページです。
https://www.fujispray.com/where-to-buy
- 海外代理店を紹介するページです。Asia and Africa エリアをクリックする とTBM JAPANとして掲載されています。日本で唯一の正規販売代理店です。
わが社は1983年の創業以来防水工事、塗装工事を中心に建築物のメンテナンスを行ってきました。
人口10万人の地方小都市で営業しているため、顧客のリクエストに応じる形で業務内容は徐々に広がりました。
その流れで今から24~25年前、初めて傷んだお風呂の補修と塗装を経験し、ものの見事に失敗しました。
それからはどんどん風呂の仕事にはまって溺れそうにもなりました。
今はお風呂の仕事しかやっていません。
ホーク社製塗料のテスト使用が終わり、18年前に全国リグレーズ工業会を立ち上げた後は、ホーク社が取り扱っているアメリカン・タービン社製HVLP塗装機も会員企業に販売することとなりました。
http://www.american-turbine.com/
- アメリカン・タービン社のホームページです。19年の付き合いになりますが、現在はアフターフォロー用のパーツ、消耗品のみを輸入しています。
3年半ほど前にホーク社がアメリカン・タービン社に加えフジスプレー社とも取引を始め、ホーク社の担当者から「コンパクトで軽量で高性能で低価格なこの機械はいいですよ!」と強い勧めがありました。
「コンパクトで!!!軽量で!!!高性能で!!!低価格!!!」
職人としては食指が動きます。
試しに使って一発でやられました。
それからホーク社の仲介でフジスプレー社と直接日本での代理店契約を結ぶのは早かったですね。
輸入当初はアメリカン・タービン社との2本立てでしたが、自然な流れで今はフジスプレー社製品のみを扱っています。
HVLP塗装機(温風低圧塗装機)の輸入販売を始めたのも元々はお風呂の塗装で使うためでした。
残念ながら、そしてもっともなことに、メーカーは販売の量的拡大を求めます。
それで重い腰を上げて販売用ホームページを立ち上げました。
https://www.hvlpspray.jp/
・ フジスプレー社製品を販売するわが社サイトです。
http://www.tbm-japan.co.jp/hkbg/topics/hvlp
- このブログにフジスプレーを輸入し始めた頃のことを書いています。その性能に感動して、かなり熱くなっていますね。
フジスプレーは一部のプロフェッショナルを除いて日本ではまだ良く知られていませんが、北米(アメリカ、カナダ)では知名度、評価ともに非常に高いです。
浴槽・浴室塗装、家具塗装、建築塗装、機械塗装、自動車塗装など広範に使われています。
また英語圏のプロフェッショナル用業界誌の性能比較コンテストなどで何度も受賞しています。
下記のフジスプレー社サイトでその一部(最近の受賞)を紹介しています。
英語版ですが、ぜひご訪問ください。
https://www.fujispray.com/awards
輸入を初めて2年9ヶ月、販売用ホームページを立ち上げて2年が経っていますから、日本で知名度が低いのはわが社の責任です。
フジスプレー社製品の素晴らしさを一人でも多くの人に知ってもらうため、これから無い知恵を絞ります。
振り返ってみると、こと商売に関して自分はとても強運とは言えないし、商売のセンスもたいへんお粗末です。
ただ長い職人兼経営者人生の中でホーク社とフジスプレー社に出会えたことは、この上ない幸運だったと感謝しています。
大げさでなくこの人生で私に与えられた幸運を、この二つの出会いで使い果たしたくらいに思っています。
だから、この出会い、この幸運に感謝しながら二つの部門を大事に育てて行きたい。
ここまで書いて「この人生で私に与えられた幸運を、この二つの出会いで使い果たした」は大変マズイ表現だと気づきました。
妻がもしこれを読んだらきっと「私との出会いは、この上ない幸運じゃなかったということ???」と尋ねるでしょう。
そうなったら、「この人生で<ビジネスに関して>私に与えられた幸運を、この二つの出会いで使い果たした」に速攻で書き換えます。
2018年9月26日投稿
今日は私たちが19年間取引を続けているホーク社をご紹介します。
https://www.hawklabs.com/
・ 最近リニューアルしたホーク社のサイトです。
・ イリノイ州シカゴ・オヘヤ国際空港近くのホーク社社屋です。
https://www.hawklabs.com/international-distributors
- 海外代理店を案内するページです。日本総代理店としてのわが社のホームページ、連絡先なども掲載されています。
わが社が取引きを始めた頃のホーク社は同業他社と米国内でのシェア1位をめぐって熾烈な戦いを繰り広げていました。
19年を経た今は競争相手を大きく引き離し、この業界で圧倒的No.1の地位を獲得しています。
時間はかかるけれど地味にコツコツやり続ける企業が結果を出すのは、長い付き合いだけに、そして自分の目指すところでもあるのでうれしいですね。
(どこからともなく、「君も、もっとがんばりなさいよ!」との声が聞こえた。)
わが社はホーク社にとって初めての海外代理店です。
当時海外展開はホーク社にとって未開の領域、初めての経験なので、わが社の申し出に対し最初は彼らもかなり躊躇していました。
「私たちはこの挑戦に失敗すれば会社の将来、契約金、その他全てを失うことになる。しかし貴社には失うものは何もないはずだ!」とガンガン攻めたてました。(いやなに、妻の英語力を借りながらですが)
19年後の今、ホーク社は海外展開に積極的です。
まだ少ないですが、現時点でオースラトリア/ニュージーランド、シンガポール、UAEに日本のわが社を加えた計4社が海外代理店として活動しています。
ヨーロッパ、中でもユーロ圏を念頭に現在オランダに物流センターを構築中です。
ただこれまで海外展開のすべてが順風満帆に進んだ訳ではありません。
10数年前3回目のホーク社訪問の時ちょうど研修に来ていたインドの代理店は、数年前活動を中止しました。
イギリスの代理店も活発に動いていたのですが、姿を消しました。
このブログでも何度か言及しているので詳細は述べませんが、お風呂、特に浴槽の使用条件は日本が世界の中でもっとも過酷です。
この業務を展開することが世界で一番困難であるとも言えます。
それでは何故シャワー使用が中心で、湯温も低く、湯を張る時間も短く、日本と較べて比較にならぬほど使用条件のおだやかなインドやイギリスの代理店は途中で断念することになったのか?
さまざまな原因が考えられますが、両社に共通している弱点は、組織内に施工部門がないため現場ノウハウを持っていなかったことです。
純然たるメーカーであり40年近い社歴のホーク社でさえ、いま現在も施工に特化した別会社を稼動させています。
この業務は塗料の販売だけに特化してやって行けるほど甘くありません。
現場施工を通しての豊富な技術的フィードバックがないと、たとえ優れた経営ノウハウや営業力を持っていても継続的に事業を成長させることは困難です。
分りやすくて切実な例ですが、難易度の高い施工で問題を抱えたユーザー(施工者)から質問の電話を受けた時、充分な技術的ノウハウを持っていないと的確な回答ができない。
その結果施工者はその現場で失敗する可能性が高くなる。
失敗が続くとユーザーは、事業意欲を失ってしまう。
そして販売側は貴重なユーザーと長期に渡る塗料販売上を失う。
塗料を製造する側、販売する側にとって現場からのフィードバックがこの上なく重要であることの分りやすい例をもう一つ。
当たり前のことですが、私たちは良質な製品(塗料および施工ノウハウ)を提供し続けなければユーザーからの支持を得られません。
そのためには継続的製品改良を避けて通れません。
製品改良は実験室、研究室、理論だけではできません。
製品(塗料および施工ノウハウ)は、多様な条件下で使われるのですから。
温度、湿度、素材の違い、施工対象(浴室、浴槽etc.)の品質の良悪、水質、損傷の度合い、施工後の使用環境、施工者の技術レベル、施工者の性格(例 - 手抜きする人、しない人 etc.)、施工者の体調や精神状態(例 - 二日酔いだったか? ならどの位飲んだか? その人のアルコール耐性はどのくらいか?、出勤前に夫婦喧嘩しなかったか?、ナニ? 重度の二日酔いの上に泣く子も黙る夫婦喧嘩!? etc.)・・・・・。
すべての条件を組み合わせると何千通りにもなるでしょう。
このような条件を実験室で再現することは物理的に不可能です。
そして何より新製品開発のためにわざわざ夫婦喧嘩するなんて面倒くさすぎます。(笑)
しかし製品の改良や開発において、二日酔いや夫婦喧嘩は別にして、多様な条件下での使用結果が反映されなければ、それはろくでもない新製品の開発、既存製品の改悪にしかなりません。
これを解決するのが、現場施工から得られる大量の情報です。
既存製品の改良と良質な新製品の開発のためだけにホーク社は40年の長きに渡り別会社での施工を続けています。
わが社はメーカーではありませんが、確かな施工技術と優れた塗料の提供を生業とするものとして、やはり施工を続けています。
例えば、世界で追い焚き機能付きの浴槽が一般家庭のほとんどに普及している国は、世界で日本以外にはありません。
日本では浴槽の追い焚き機能により高温の湯が長時間張られる。
その上、災害時用の備蓄や洗濯用に翌日まで溜め湯するご家庭も多い。
故に日本では浴槽の塗装に世界で最も強力なストレスが加えられる。
これは世界中で日本だけの特殊条件です。
だから私たちは24年間に渡り<日本での>施工を続け、その経験に基づきホーク社へ製品の改良、開発に関し提言を続けてきました。
その結果としてスパコートの開発やウルトラグリップ4000の改良と製造の継続などがあります。
この業界に限ればアメリカでNO.1であれば、世界でNO.1となります。
そのホーク社にとってさえ、欧米や他の諸国ではなく日本で通用する塗料を製造することは容易ではありません。
そしてホーク社は私たちの期待に応えてくれました。
- 地味で朴訥で堅実な経営姿勢
- 技術、研究開発重視の姿勢
- 1.2.でありながら海外展開など夢を追う姿勢
- 日本という世界一厳しい環境での19年間の使用実績
19年の時を経て、わが社のホーク社とその製品への信頼はますます厚いものになっています。
書くべきか書かざるべきか迷いながらの独り言です。
(きっと書かない方がいい。)
「オランダにホーク社の物流センターが出来たら、ヨーロッパでの活動が何かとやりやすくなる。」
「そうなったらわが社も妻の母国フランスとその周辺国でリグレーズの仕事をしたい。」
「フランスには次代を託せる長女の家族や妻側の若い家族もいる。」
独りごちしながら「若かった19年前ならいざ知らず。何をいまさらバカなことを。」とわれながらひとりひとりごちへひとりごちました。
もし妻がこの投稿のフランス云々のくだりを読んで、少しでもご機嫌ななめになるようでしたら、速攻でそこだけ消去します。
2018年9月21日投稿
一年半ぶりの投稿です。
なぜこんなに間が空くのか自分でもよく分りません。
8月末、車で40分程度の山深くにある ゲストハウス 浴槽を施工しました。
築120年の古民家をリフォームした実に素敵な建物です。
柱も梁も現代の新築住宅では考えられないほど太くて、上手に手をかければまだ100年は大丈夫そうな建物です。
巷では100年住宅、200年住宅など 「???」 なかけ声やキャッチコピーを耳にしますが、この古民家は静かにさりげなく200年住宅を実現することでしょう。
建物を観ていて後100年もたない理由が見つからないんですね。
現代建築ではとても考えられません。
凄いことです。
在来工法の浴室です。
浴槽は設置後30年ほどのFRP製。
おそらく前所有者のご家族が長時間の溜め湯をされていたのでしょう、ゲルコート層に大量のクラックが発生しています。
ここまで仕上げ層の劣化が進むとパテ充填など小手先の補修では対応できません。
ポリエステル樹脂とガラス繊維を用いた浴槽全面FRPライニング加工を行いました。
FRPライニングが終わりました。
痛々しい姿ですが、浴槽の強度は新品時と同等に戻りました。
これから表面の凹凸を平滑に研削した後、新品同様に研磨します。
猛暑もあってチョッと大変です。
オーナーのご要望で仕上げ色は濃い目のネイビーブルー。
写真が下手なので分りにくいですがパール調(パールマイカ)仕上げです。
全国リグレーズ工業会の方から久し振りの電話、
「國米さん、長い間ブログ書いてないけど、まだ息してますか~?」
ブログのことは気になっていました。
気にはなっていたのですが、生来の不精や忘れっぽさもあり、なかなか投稿できませんでした。
それにあまり間が空きすぎると、バツが悪いとでも言えばよいのか、何から書き出せばよいのか分らなくなってしまうんですね。
そこで今回 「施工写真を中心にした投稿を<何食わぬ顔で>アップロードすれば、18ヶ月のご無沙汰をなかったことに出来るかもしれない!?」 と姑息な作戦を立てました。
現場でいつも写真撮影を忘れてしまうため、今回は脱衣室の壁に 「写真撮影忘れるな!」 と大書した紙を貼りました。 (お客さまは気づいたのだろうか?)
おかげさまで写真付きの投稿ができました。
18ヶ月のご無沙汰をなかったことにする作戦が、うまく行ったかどうかはよく分りません。
2017年3月22日投稿
出来ることなら3日に1度休みを取りたい(無理ですが)、そんな私にとって怒涛の8日間でした。
東京研修から帰り、遅れ気味の事務仕事をアタフタと片付け、14日~19日まで片道2時間半の現場施工、20日、21日と技術研修でクタクタの63歳。
その割には今朝5時に目覚め、おいしいカフェオレ淹れて飲みましたけど。
今回の現場は、昨年6月初めて仕事させていただいた倉敷市児島のメゾネットタイプのおしゃれなアパート別室。
浴室は1216の在来工法で天井高2.3m、壁面は全面タイル、塗装面積17㎡とアパートとしてはかなり大きめ。
タイルのクラックと目地の傷み、そして緩慢な自分の動きに少し手こずりました。
塗装テクニックにこだわったりするくせに、実はかなり不器用な私は、床のシート貼りにもいい冷や汗をかきました。
前回も今回もアパートオーナーに児島の割烹「三松」へ招待していただきました。
とてもグルメとは言えない私にも、この店のレベルの高さは分かります。
「三松 児島」で検索するとすぐ出て来ます。
探訪をお勧めします。
来月桜の咲くころに同じオーナーの別室を施工させていただくことが決まっています。
次回は知り合いの寿司屋さんに招待していただけるとのこと。(不謹慎ですが楽しみ)
研修は三重から1社1名、名古屋から1社2名のご参加。
研修プログラムはこの16年間いくつかのマイナーチェンジはあっても、基本的に同じ内容です。
しかし、研修のノリや流れは毎回違ってきます。
前々回の岡山研修では、何人かに笑い虫が舞い降りました。
意味もなくお互いの顔を指差しながら笑いこけるのです。
それもかなり長時間。
私の顔を指差してお笑いになるのは結構ですし、お気持ちは良く分かりますが、これじゃ研修が進みません。
研修主催者として大変困惑しました。
今回も2日目の午後、笑い虫降臨の兆しがありました。
インストラクターの私は何とか踏ん張り、虫退治に成功しました。
しかし女房は、いつも私が先頭を切って笑いこけていると主張します・・・。
きっと何かの間違いでしょう。
2017年3月1日投稿
条件の厳しい日本で浴槽・浴室塗装を生業としていると、まず、
① 最高品質の塗料が必要だ。
との理解に至ります。
次に、
② 塗料の性能を最大化する施工技術が必要だ。
と痛い経験を通して思い知ります。
痛い経験とは施工の失敗、つまり塗膜剥離です。
だから、ここで言う施工技術とは下地調整を中心とした塗装を剥がさないための技術です。
浴槽・浴室塗装では、①②の必要を満たすことが最優先の課題となります。
①②が満たされていないと、おどろくほど簡単に塗装が剥がれてしまうからです。
この課題をクリアしないと、安眠できません、仕事になりません、会社をやってけません。
事実この業界30数年の歴史で、どれだけ多くの企業が塗膜剥離により破綻して行ったことか。
笑いごとではありません。(笑)
16年前全国リグレーズ工業会を立ち上げた時、上の①②はクリアしていました。
だから、曲がりなりにも今日までやって来れました。
①②をまずクリアして最後に残る課題が、
③美しい塗装です。
浴槽・浴室塗装では、「美しい塗装」イコール「最高品質のスプレー塗装」となります。
「最高品質のスプレー塗装」には、「完成されたスプレーテクニック」と「最高品質の塗装機」が必要となります。
20数年間「美しい塗装」を求めて試行錯誤が続いています。
実のところ浴槽・浴室塗装は、「最高品質の塗料」、「塗料の性能を最大限発揮させる技術」、「ほどほどの塗装機」、「ほどほどのスプレーテクニック」で充分やって行けます。
「ほどほど」が災いして、もし「美しくない塗装」になっても、ペーパーがけによる肌調整とコンパウンドがけにより「美しい塗装」に直せるからです。
お客さまは直した後の「美しい塗装」に満足し、施工者は直す前の「美しくない塗装」に満足できない。
施工者のジレンマと「美しい塗装」の追及はどこまでも続きます。
幸いにも1年前ホーク社の紹介でフジスプレーの温風低圧塗装機(HVLP塗装機)を使い始めました。
「最高品質の塗装機」と確信し、昨年5月から輸入を開始しました。
「美しい塗装」のための「最高品質の塗装機」が手に入りました。
これで、
① 最高品質の塗料
② 塗料の性能を最大化する施工技術
③ 美しい塗装
ほぼ全てが手に入りました。
残るは「美しい塗装」のための「完成されたスプレーテクニック」だけです。
だからこの投稿のタイトルは、「黄金のトライアングル完成 !」ではなく「黄金のトライアングルほぼ完成 !」となりました。
実はスプレーテクニックに完成はありません。
永遠に「黄金のトライアングルほぼ完成 !」のままです。
だからこの仕事は面白いのだと思います。
2017年2月19日投稿
2月5日から12日まで、石川県小松市のホテルサンルート小松のユニットバス塗装に出かけました。
全国リグレーズ工業会のバスメイク(株)さんが受注された物件の応援施工です。
1年1ヶ月前にワンフロアーを施工し、以後問題が発生していないことから、次のフロアーのゴーサインが出ました。
今年7月、12月、来年1月で残りの全室を施工します。
私を含めた応援者4名、バスメイク(株)代表の津田さん、現場研修参加者2名の総勢7名でワイワイ楽しくやりました。
岡山に戻ったらドット疲れが出ましたが・・・。
大型物件施工のために会員企業でチームを編制できる。
これは全国リグレーズ工業会の強みです。
バスメイク(株)津田さんは浴槽・浴室塗装を専業とし、12年以上活動を続けられています。
12年前他の代理店システムに加入しこの業界に参入された後、1年半前全国リグレーズ工業会へ移籍されました。
<他のフランチャイズや代理店システムに加入した後、何らかの事情で全国リグレーズ工業会に移籍する。>
全国リグレーズ工業会には、このような会員企業が20社前後おられます。
何らかの事情とは、FC本部が破綻した、施工での瑕疵発生率が高すぎる、などです。
バスメイク(株)さんは通常少人数で活動しているため、工期に制限のある大型物件は今まで受注を避けて来られました。
1年6ヶ月前の基本技術研修後このホテルの件で相談を受けた時、私は「皆に応援要請して必ず人を集めます。だから大丈夫ですよ!」と自信満々に話しました。
(初めてのことではないのですが、毎回責任重いです。)
この業界で仕事していると特に大型物件の受注を目指していなくとも、ホテル等の話が舞い込みます。
確実な施工をする業者がまだ少ないこと、独立系の企業では人員・工期・機材面で対応出来ないこと、などが原因です。
しかし、たまに舞い込む大型物件のために4~5人の技術者を常時雇用するのは大変非効率的です。
人数分の塗装機、送排風機、サンダー、赤外線乾燥機などを準備しておくのも大きな負担です。
だから、普通は「せっかくの良い話なんだけど、今回は断念しよう。」となります。
全国リグレーズ工業会のやり方だと、人員・工期・機材面などに問題はありません。
無理すれば15人以上の吹き手(浴槽・浴室に適切にスプレー出来る技術者)を集めることが出来ます。
全国リグレーズ工業会にはこの数倍の吹き手がいますが、なにしろみんな原状回復工事、建物クリーニング、傷補修(リペア)、建築塗装などの本業や浴槽・浴室塗装で忙しい。
現状では15人集めるのが精一杯です。
とは言え熟練した吹き手が15人いれば、数百室のホテル施工もこなせます。
もちろん吹き手以外に足付け、養生、仕上げなどの人員も必要ですが、こちらの人集めは比較的容易です。
機材も各自持ち込みなので、受注者はたまにしか使わない機械を買い揃えておく必要もありません。
使う塗料(Hawk社製品)も施工方法(リグレーズ工法)も全員同じなので、施工はスムーズに進みます。
応援費用も「お互いさま」の方針で決めています。
受注者が毎回必ず利益を出せるようリーズナブルかつ抑えめに設定しています。
これは意外と大切です。
応援者も現場でベストを尽くしますが、やはり一番大変なのは受注者です。
大型物件の現調・見積・元請けおよびホテルとの度重なる交渉・現場資金繰り・材料仕入れ・実際の施工・施工時に発生する諸問題への対処・売上金の回収・・・。
慣れてないと正直大変です。
最初の頃は、あまりの大変さに涙目になることもあるでしょう。
だからこそ、一つ一つの現場で受注者が確実に利益を出せることが大切です。
「一時は請け負ったことをすごく後悔した。でも結局やって良かった!」
と心から思えないと次につながりません。
また、このようにして大型物件を施工した企業は、必ずと言って良いほど他社が受注した大型物件の応援に来てくださいます。
これはどの社会、どの業種でも同じでしょう。
だから私は全国リグレーズ工業会で大型物件が発生した時は、必ず応援施工に行きます。
たとえ呼ばれていなくても。(笑)
昨年わが社が工期が短く規模の大きい社員寮を受注した時も、過去に私が応援に出向いた会員企業は、まさに万難を排して駆けつけてくださいました。
「お互いさま」の原理が良い形で働くのです。
最後にこの件に関し付け加えておきたいこと。
「ホテルサンルート小松」全館施工は、今後バスメイク(株)さんにとって輝かしい実績となります。
2016年10月29日投稿
全国リグレーズ工業会の皆さまへ
11月4日~7日千葉県八街市にて現場研修を開催します。
一般住宅ユニットバスの全面再生塗装です。
研修を想定し、日程には余裕をいただきました。
弊社受注物件のため、従来どおり研修費は発生しません。
参加ご希望の方はご連絡ください。
現場住所等の詳細は、参加決定の際にお知らせいたします。
2016年10月19日投稿
今日明日と津山で浴室・浴槽塗装の技術研修です。
窓から見える空の青、わずかな雲の白、紅葉が始まったばかりの木々の赤。
美しい。
広島市から1名、岡山市から2名、計3名のご参加。
今回は復習研修も兼ねています。
先週11日から15日まで北海道に行きました。
仕事とプライベートを兼ねていたので女房も同行し楽しかった。
「北海道は道が広くて、海鮮が美味しい。」
(無粋な私の精一杯の感想。)
こういう形でいろいろな所へ行ければ良いのですが、実際は仕事だけの慌しい移動の連続。
これからは無機質な「移動」だけでなく、もう少し「旅」を加えたい。
2016年10月8日投稿
老婆心かもしれませんが、心配なので書きます。
最近インターネット上に、DIYでの浴室・浴槽塗装を促すサイトが目立ちます。
SEO(検索エンジン最適化)がうまく行ってるのでしょう、「浴槽 塗装」などのキーワードで検索するとトップページ最上部に複数出て来ます。
興味深いのは同じキーワードで検索するとタイトルが、「DIYでの風呂塗装は危険!」となっているプロフェッショナルのサイトもあることです。
人体・人命にとっての危険性を指摘してくれてるのだろうと訪問してみると少し違って、「思ったより材料費がかかる」 → 「施工がむつかしい」 → 「プロにまかせた方が良い」という流れの内容でした。
このサイトをもっと深く探って行けば、危険性に関する話が出てくるのかも知れませんが、それでは危険性の告知という目的を十分に果たせてないと思います。
出来ることなら検索サイトから入ると、ダイレクトに危険性を説明するページにたどり着けるようにしていただくとありがたい。
ここで私が訴えたいのは、「一般の方が浴室という狭く換気の悪い空間で、強溶剤型の塗料を扱うのは大変危険。」ということだけです。
技術的難易度が高い・低い、費用がかかる・かからない、DIYが良い・悪い、などは枝葉末節です。
浴室は狭い。
浴室の窓は小さい。
すなわち換気が悪い。
このような空間で、一般の方が十分な安全対策を施すことなく強溶剤型の塗料を使えば、急性シンナー中毒となる可能性が高くなる。
また火気厳禁を徹底しないと、強溶剤型塗料は引火性が非常に高いので火事になる。
どちらも人命に関わる事態です。
私たちプロの施工業者は、必ず換気のため業務用送風機を設置すると同時に高性能の防毒マスクを装着します。
加えて電気的火花による引火を防ぐため、塗装機は必ず浴室から離して設置します。
プロとしてこのような安全対策を講じていても、不測の事態は起こり得ます。
送風機のダクトが周囲のウエス、キッチンペーパー、養生など軽量物を吸い込んで目詰まりを起こし、室内の溶剤濃度が一気に上昇する。
防毒マスクのカートリッジが使用限度を超えていることに気づかず使ったため、いつの間にか意識が朦朧としていた。
私自身もかって送風機にキッチンペーパーを詰まらせたことがあります。
まったく換気していなくても機械音だけは聞こえるので、吹付けしていると気づかないのです。
このような場合、室内の溶剤濃度が急激に上昇するため、業務用防毒マスクを装着していても急性シンナー中毒になります。
幸いあの時は二人で作業していたので事なきを得ましたが、もし一人だったら、ここでこの文章を書いていないかもしれない。
窓を開ける。
既設の換気扇を回す。
ドアを開放しておく。
ホームセンターで売っているマスクを使う。
この程度の安全対策では明らかに不十分です。
一般の方がご自分で浴室・浴槽の塗装をする場合も、プロフェショナルと同等かそれ以上の安全対策を施していただきたい。
これに加えてDIYで塗装する場合、必ず二人以上で行う必要があります。
溶剤中毒により意識を失い倒れた場合、すぐに室外に連れ出し清浄な空気を吸わせれば死亡事故には至りません。
一人だけで作業していると、これが出来ないため最悪の事態となります。
常に一人が塗装をし、もう一人はシンナーの影響がない隣室で作業補助をしながらまさかの場合に備えます。
DIYを推奨するサイトには、「安全対策をしてください。」との記述があります。
しかし、画像などを使ってもっと詳細かつ具体的に説明しないと、一般の方には実際どうすれば良いのか分からない。
私がこのような投稿をしても一般の方の目に触れる可能性は極めて低いので、何の役にも立たないのかもしれない。
ただ同業者の皆さんがこのサイトを訪れる可能性は、わずかながらでもある。
もしこの文章に気づかれたら、ぜひ貴社サイトにイラストや写真を使った具体的かつ詳細な安全対策を追加記述してください。
お願いします。
2016年10月1日投稿
9月26~28日と岡山県高梁市で施工。
わが社から高梁市まで距離にして60km、車で1時間30分程度かかります。
山口県、愛媛県など3~400kmの出張と較べるとずいぶん近く、そして楽に感じます。
むかし地元での各種リフォーム施工がメインだった頃は、現場までの平均移動時間は20分程度でした。
30分以上かかる現場は、当時ずいぶん遠い所のように感じていたものです。
人間の感覚・知覚・認識は驚くほど相対的です。
「いい加減」、「当てにならない」とも言います。
そんな人間の書くブログですから、きっと正確さに欠ける部分もあることでしょう。
今回の施工は、実にオーソドックスなものでした。
古いアパートのユニットバスが全体的に経年劣化。
塩ビ鋼板の壁面下部にフクレがわずかに発生。
FRP浴槽喫水線以下の表面ゲルコートが消失し、下層のガラス繊維が広範囲に露出。
当然のごとくクラックも発生。
天井・壁・床の劣化は許容範囲内というオーナーの判断で、今回は浴槽のみ施工。
塩ビ鋼板のフクレが進行し錆が目立ち始めたら、残りを施工することになるでしょう。
1日目、FRPライニングを中心に下地補修および足付け(サンディング)。
2日目、ベースコートとトップコート吹き付け。
3日目、養生除去、バフがけ、撤収作業等に2時間強。
赤外線ランプによる強制硬化の必要もなく、比較的のんびりした施工になりました。
- のんびり - ?
本当はいつも「のんびり」仕事したい。
しかし現実は違います。
時間に追われながら「狂ったように」施工するのが、この仕事の常態です。
つまり狂気が正常な異常な世界です。
「こういう事を書くから、技術研修受講者が減るんだ!」と時々叱られます。
「でも本当のことだから・・・。」と答えるしかありません。(笑)
今回の施工中も、会員企業の皆さまから技術的質問を含め、いろいろ電話をいただいたのですが、中でも4年半キャリアの熊本Yさんとは、「施工時の狂気スイッチのON/OFF 」に関する哲学的・詩的考察で盛り上がりました。
お客さまにはあまり聞いて欲しくない内容ですが、当人たちにとっては楽しいことこの上ない会話です。
携帯電話を固く握り締め、狂気について話し込む四つの目は、きっと怪しい光を放っていたことでしょう。
まだ暑いですからね。
今回はめずらしく写真を撮りました。
天邪鬼の私は「今回こそ写真を撮ろう!」と決めると、必ず撮りません。
「自分に対して天邪鬼になっててどうするの?」と思いますが、そのくせ「今回は写真必要ない」と決めると、素直にその決定に従います。
要するに基本的に写真撮りません。
今回の写真撮影は女房の功績です。
施工前と施工後、各々3回ずつスマホに「写真撮るの忘れないでね~!」とメッセージを入れてくれたのです。(フランス語と英語で。少し自慢そして自戒。次に、この一文を消せないことに自己嫌悪。やがて居直り。)
施工前後の違いが判別できないほど微妙かつ精妙な写真が撮れたのは、私の功績であり実績です。
私が施工写真を含め写真撮影全般を嫌うのは、実は天邪鬼だからではなく、ご覧のようにただ下手だからです。
(浴槽およびエプロン 施工前)
喫水線以下に変色、クラック、ガラス繊維の露出。
これでは入居希望者も決断を戸惑うでしょう。
(浴槽およびエプロン 施工後)
9ヶ月が経過して、フジスプレー社製ミニマイト5の取り回しにもずいぶん慣れてきました。
光沢、平滑さともにOK。自讃。
(浴槽底面 施工前)
ゲルコートが加水分解により消失。
下層のガラス繊維が露出して美しくない。
(浴槽底面 施工後)
写真と作文は下手だが、吹付けは上手?
自讃と長時間の自問。
今回の施工には後日談があります。
後日談と言っても施工翌日、おとといのことです。
高梁市は岡山県中西部に位置する人口3万人の小都市です。
車で移動してると山中の川沿いに、突然街が現れます。
歴史ある城下町ゆえか、街も人もとても落ち着いています。
なぜだかこの街のことが気になり、2日目のベースコート硬化待ち時間に車で辺りを少し探索しました。
車からしっかり整備されている武家屋敷を見ていると「備中松山城」の看板。
火に誘われる蛾のように城に向かう。(仕事は大丈夫か!)
ところがこの城は、天守が現存する山城としては、日本で最も高いところにあるのだそうです。
時間的にとても無理なので、泣く泣く断念。(仕事最優先!)
それで施工完了翌日、女房と日帰りドライブしました。
女房が撮った写真に変わったものが2枚あったので、ご紹介します。
武家屋敷の居間
当主の首がわずかに右に傾き、息子に何かを話してる。
息子は神妙な面持ちで聞き、奥方はわずかに微笑んでいる。(奥方は美人です。)
見学者は即座に「何を話してるんだろう?」、「武士の心得を諭してるのかな?」、「それとも晩飯のメニューの相談か?」と想像を膨らませてしまう。
人形の首をほんの2~3度傾けるだけで、そこにえも言われぬ趣き、リアルさ、物語性が生まれるのは面白い。
塗装ロボットによる完全無欠な新車塗装より、狂気モードの職人が2~3センチ手元を狂わせてホンノリ垂らした塗りの方が味わい深いことに似ていなくもない。(違うような気もする)
あまりに驚いたので写真は撮ってないのですが、ここにはもう一体別の人形があります。
靴を脱いで玄関から部屋に上がると、とつぜん身長2メートルくらいの家来の人形が現われ、深々とお辞儀するんです。
女房も私もギョッとして大きく後ずさりしました。
女房はもう少しで悲鳴あげそうでしたね。
後で「君、あのね~。」とつぶやきながら確認すると、家来は身長2メートルどころか私よりうんと小さく、可哀相なことにずいぶん栄養が足りてない感じでした。
「人間の感覚・知覚・認識は驚くほど相対的です。”いい加減”、”当てにならない”とも言います。」と書きましたが、まさにその通りです。
帰る時に受付の男性が「玄関の人形ビックリしたでしょう!」、「センサーで人を感知して機械仕掛けでお辞儀するんですよ。」、「お客さんほぼ全員後ずさりするんですよ~。」とうれしそうに話しかけて来た。
私が少しだけムッとしながら、「具合が悪くなるお年寄りや、怒り出す人いませんか?」と尋ねると、おじさんの目がしっかり泳ぎましたね。
大惨事の予感、そして税金の無駄遣い。
お役所仕事にしてはなのか、お役所仕事だからこそなのか良く分かりませんが、この”お化け屋敷”、いや”お武家屋敷”、かなり変わってます。
高梁に行ったらぜひ訪ねることをお勧めします。
武家屋敷の風呂
前日までこの街で風呂塗装してた私は、なぜかここで長時間固まってしまいました。
いやなに、ただ木製風呂桶の施工方法、工期、見積金額を検討していたんです。
見積書の名義を「おばけやしき様」とするか「おぶけやしき様」にするかで大いに悩みました。
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